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溶融亜鉛めっきの規格

溶融亜鉛めっきに関する日本産業規格

JIS H 8641 溶融亜鉛めっき
JIS H 0401 溶融亜鉛めっき試験方法

品質

膜厚

めっきの膜厚は、以下の通りとする。

種類の記号 膜厚(μm) 適用例(参考) 対応
HDZT 35 35以上 厚さ5mm以下の素材、直径12mm以上のボルト・ナット、厚さ2.3mmを超える座金などで、遠心分離によって亜鉛のたれ切りをするもの又は機能上薄い皮膜が要求されるもの ×
HDZT 42 42以上 厚さ5mmを超える素材で、遠心分離によって亜鉛のたれ切りをするもの又は機能上薄い皮膜が要求されるもの ×
HDZT 49 49以上 厚さ1mm以上の素材、直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金
HDZT 56 56以上 厚さ2mm以上の素材
HDZT 63 63以上 厚さ3mm以上の素材
HDZT 70 70以上 厚さ5mm以上の素材
HDZT 77 77以上 厚さ6mm以上の素材
注)適用例の欄に示す厚さ及び直径は、公称寸法による。

溶融亜鉛めっきの特長・特性

防錆方法のうちで、経済的にも機能的にも、最も効果的である溶融亜鉛めっきには次の4つの優れた特性があります。

1.耐食性に優れています

溶融亜鉛めっきは、純亜鉛層の緻密な保護皮膜と電気科学的な犠牲防食作用によって、大気中、淡水、海水、土壌中及びコンクリートの中の鉄鋼製品をサビから守る働きをします。

日本における使用環境別の亜鉛腐食速度

暴露試験地域 腐食速度 (g/㎡/年) 平 均 (g/㎡/年)
重工業地帯 32-35 34
都市地帯 12-18 15
海岸地帯 11-14 13
田園地帯 8-12 10
山間地帯 3-8 6
乾燥地帯 2-5 4

亜鉛めっきの 環境別耐用年数

大気中の耐用年数の計算方法

2.メンテナンスフリー

長い年月にわたっ防食効果がありますので、まったくのメンテナンスフリー
です。長期の防食を目的とする場合、塗装方法と比較してもっとも経済的です。

溶融亜鉛めっき加工費と塗装費との比較(例)

溶融亜鉛めっき加工費※1 塗 装 費※2
厚5㎜ 厚7㎜ 厚12㎜ 厚20㎜ 例1 例2 例3
初期費用(円/㎡) 1,260 1,700 2,700 3,810 3,170 4,140 6,920
塗替費用(円/㎡) 0 0 0 0 1,560 2,520 0
20年間の塗替回数(回) 0 0 0 0 3 2 0
20年間の塗替費用(円/㎡) 0 0 0 0 4,680 5,040 0
20年間の合計費用(円/㎡) 1,260 1,700 2,700 3,810 7,850 9,180 6,920
塗装仕様 (例1)
鉛系さび止め塗装1層
フタル酸樹脂塗装2層(例2)
鉛系さび止め塗装2層
フェノール系MIO塗装1層
塩化ゴム系塗装2層(例3)
ジンクリッチプライマー1層
エポキシ樹脂塗装2層
ウレタン樹脂塗装2層

※1 溶融亜鉛めっき加工費:現行の標準加工費より精算
※2 塗装費:㈳日本塗装工業会発行の塗料ハンドブック(昭和54年度版)より精算

20年間における溶融亜鉛めっきと塗装の合計費用の比較

亜鉛めっき鋼構造物研究会パンフレットより

3.密着性にすぐれています

溶融亜鉛めっきは、亜鉛が鉄と反応して鉄と亜鉛の合金層を形成し、鉄地と固く結びついています。更に純亜鉛層の被膜を被っているため鉄を腐食から守ります。また、衝撃摩擦等によっても剥離することがありません。

4.すみからすみまで均一にめっきできます

めっき槽に浸漬してめっきを行いますので、構造が複雑なタンクの内面や、パイプなど目に見えない部分、手の届かない部分でも完全に均一にめっきができます。

5.鉄地の保護に優れています

塗装または錫めっき等の腐食の場合

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